社会インフラ(infrastructure:基盤)の管理技術とは、鉄道・ガス・電気・水道など国民の生活を支えるライフラインや、大型施設や産業プラントなど社会活動に大きな影響を持つと共に、万一事故が起こると市民に重大な被害が生じる施設・設備について、経年劣化の計測、診断により余寿命を評価して保守・更新計画に反映させると共に、損傷・破壊の兆候を早期に検知して安全を確保する技術です。 日本の社会インフラは、現在世界でも有数のストックを有していますが、高度成長期を中心に建設・設置され、既に20年ないし30年以上経過したものが多く、今後これらの劣化が大きな社会リスクとなります。社会インフラの更新には膨大な費用を要するため、どの設備も一律に時限的な更新を行うよりも、個々の設備ごとに状態を把握して大きな事故を未然に防ぎつつ、使用限界まで利用するための診断技法が強く求められています。 従来、日本ではオフライン診断(停電状態で被測定対象を系統から切り離した状態で行う診断)で設備の保守がなされてきており、このための診断・保守技術では世界のトップグループにいます。ただし、運転停止による逸失利益や停止の為の予備設備の設置を含めた診断・保守の為の費用は膨大です。一方、中国等電力需要が急速に伸びている国では、電源余裕がなく運転を停止できず、オンライン診断(設備の停電を必要としない運転状態で行う診断)が必要とされます。今後は日本でも、診断・保守の信頼性向上や費用低減のためにも、オンライン診断の必要性が高まることは間違いありません。 オンライン診断は、実際の運転状態で計測するため、運転状態に特有な現象(熱、振動など)を反映した診断が可能であることと、常時または定期的な継続監視をすることにより、設備の運転状態のトレンド把握と管理が可能となります。特に、常時監視を行うことによって、運転中の突発的な異常を早期に検知することが可能であり、故障や事故の未然防止が期待出来ます。
エイテックの基本特許である高調波診断技法は、設備や機器の劣化状態を予測し、余寿命を精度良く推定するオンライン診断技術であって、実環境下での劣化現象の把握、モデル化を進めることになり、劣化メカニズムの科学的追求、いわゆる「劣化の科学」へ貢献する貴重な技術と言えます。 高調波診断技法による「高調波知的劣化診断システム」KSシリーズにおいて、KS−7000は、常時監視が可能な多重化センサーによる一元管理システムで、社会インフラの損傷・破壊モデルの確立に寄与する又とない好機をつかむ〔今月の花サネカズラの花言葉のような〕システムツールとなり得るのです。
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実葛(サネカズラ)
花言葉「好機をつかむ」 |
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2009年11月12日 来月のメッセージも是非ご覧下さい エイテック株式会社
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