東日本大震災の発生から2ヶ月が経過しました。産業界は経済活動の復旧を着々と進めていますが、一方で政府の対応は遅々として進んでいません。特に深刻なのは二次災害と言うべきエネルギー問題です。電力不足が新興国並みに慢性化する中では経済の発展などあり得ません。原子力に対する不安と不信を断ち切り、再生に向けた基盤を構築するのが政府の最大の責務と言えます。 エネルギー政策を所管する経済産業省・資源エネルギー庁の「エネルギー白書2010」によると、石油ショックのあった1973年度に比べて、製造業の2008年度の生産量は約1.7倍に増加したのに対し、エネルギー消費は0.9倍と減少しています。生産量とエネルギー消費量の増加が比例していた1973年度以前に比べて大幅に効率化されました。石油ショックは日本が世界トップクラスの省エネ技術を獲得するきっかけになったのです。 東京電力福島第一原子力発電所の事故に端を発する電力不足で、政府は夏場のピーク需要時に前年比15%の電力使用量削減を求める方針を立てています。更に地球温暖化抑止のための取り組みで、2020年に1990年度比25%の二酸化炭素(CO2)排出量削減を中期目標に掲げており、日本は新たな“エネルギーショック”に直面しています。 石油ショック以前の日本は過度に化石燃料に依存する脆弱な経済体質でした。その時代に逆戻りすることは許されないのです。一方で太陽光をはじめとする再生可能エネルギーへの移行には、福島第一原発の解決に要する以上の時間がかかります。しかも化石燃料の代替を優先しなければ地球環境問題に対処できません。従って原子力は今後も長期にわたり、基幹エネルギーの一角を占めるものであって、その現実から目を背けては社会は成り立たないのです。今は日本が“インフラ二流国”に転落するかどうかの瀬戸際です。震災後の負の連鎖を断ち切らなければなりません。 この状況を乗り切るには産業構造の転換などマクロ政策とともに、モノづくりにおける生産・保全面での創意工夫が欠かせません。東日本大震災前の生産性、付加価値をより少ないエネルギー使用量で実現すれば競争力の向上につながるのも明白で、危機をチャンスに変える発想の転換が求められます。その一つが省エネ革新であり、電気設備の効率よい運転がキーポイントになります。
エイテックの「高調波知的劣化診断システム」は、燃える思い〔今月花ヤマツツジの花言葉〕の努力が実った革新的なものであり、電気設備の寿命を延長させてコスト低減を図ることもさることながら、生産性の向上、環境保全の視点からも重要性が再確認されてきています。特にこのシステムは電気設備の省エネ性を評価し、高効率運転によるエネルギー使用量の削減を可能にしたものです。具体的には設備への供給電力と負荷が消費する電力が効率よくバランスしているかどうかを調べ、最適な運転状態を実現させることによって省エネ性を高めるものです。電力バランスを負荷モード(高位モード、安定モード、低位モードがある)と定義し、設備を安定モードにて稼動させれば、設備損失が最小になり、効率が平均3〜10%向上するため、省エネ性に優れた設備運転ができるという省エネ革新を推進する最適なシステムなのです。
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山つつじ(ヤマツツジ) 花言葉「燃える思い・努力」 |
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2011年5月19日 来月のメッセージも是非ご覧下さい エイテック株式会社
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