高度成長期を中心に建設・設置された産業プラントや社会インフラの寿命による補修技術や電気設備の診断技術など、効率よく信頼される保全技術の適用が不可欠となっています。そのような中で、保全技術のグローバル化は、保全を通じ地球環境を健全に保つという観点からも重要といえます。 これらの要請に応え、日本、中国を始め、インドや他のアジア諸国、ブラジルやアルゼンチンなどの諸国の産業が安全・安心に活用でき、貢献することを目的に「一般社団法人・国際先進メンテナンス技術センター(International Center of Advanced Maintenance
(ICAM)、中国名:国際先進設備管理及維修技術中心)が2011年8月5日に設立されました。組織的には本部は日本に置かれ、日本支部、中国支部、インドやその他の国が支部となっています。今後は2012年4月に中国(北京)、2013年に日本で「技術交流・展示会」が開催されますが、保全技術の国際協力を通じ、環境維持や生産性向上などに大きく寄与するものと思われます。 設備は故障する前に異常を検知し、計画的に補修されることが望まれます。そのための手段として振動診断や油分析などの監視技術があります。これらの技術は実績があり広く使われていますが、このような単機能的既存技術では限界があり、生産性向上に限らずしも直結するものではありません。メンテナンス技術は信頼性向上に資する手段であり、新技術要素の付加が欠かせません。機器の異常は環境負荷と発生ストレスにより生じるので、異常が発生する前に駆動系と負荷系の電力バランス(高調波診断技術分野では「負荷モード」)が悪くなります。従って、ある部位の一つの状態だけを見て機器状態を判断するのではなく、電力バランスを考慮しながら総合的な視点に立った状態監視技術が、インフラに対しより高い信頼性を与え得ると言えます。 このような先進技術は、設備の複雑化・高度化に対応し、「単機能技術」から「多機能技術」、「複合機能技術」に転換させるものでなければなりません。保全技術では、これは機器の部位から駆動システムの機能喪失(故障)検出への転換を意味するものです。保全技術の転換を図ることにより、グローバル化に適応した先進メンテナンス技術が確立され、生産設備と社会の安全が守られるのです。
高調波診断技術は「多機能技術」です。すなわち、駆動系であるモータ、インバータなどと、負荷からなるシステムの内部で発生している異常兆候とその原因、部位、程度などを検出する高度な技術で、振動診断などの「単機能技術」の弱点を補完することで、状態監視技術に革新をもたらす可能性を秘めています。この技術は、稼動中のシステムが異常(内部ストレスが大きい)か劣化かの評価が可能で、それに基づき各設備機器の寿命や信頼性の定量的な予測ができます。設備は、同一設計仕様であっても、それぞれ異なる個性を持っています。まったく同じ性能を持つ設備はありません。それは稼動条件や環境がそれぞれ違うため、設備内部に発生するストレス現象に差が生じるからです。エイテックの「高調波知的劣化診断システム」は、こういったシステム設備の状態監視には最適なツールであり、栄華〔今月の花ダリアの花言葉〕を極める21世紀型先進メンテナンスシステムになる可能性があります。
|
ダリア(ピンボール混合) 花言葉「栄華、威厳」 |
|
2011年12月1日 来月のメッセージも是非ご覧下さい エイテック株式会社
|